映画「チェンソーマン レゼ篇」見た。

映画

結論、映画館で見た方がいい

見てきた興奮冷めやらぬ中、雑な感想を雑に語っていきます。
端的に言うと、めちゃくちゃ面白かった。
どれくらい面白かったかというと、レイトショーで見たのに漫画を読み返して最終巻まで読み終わってしまうほど熱い熱をくれるくらい面白かった。

音もいい、演出もいい、音楽もいい曲もいい映像もいい全部いい。
瞳孔バチ開いて溺れ時にそうな100分間。ものの見事に心臓を奪われた。

映画を見て人の感想を知りたい人は読んでほしいし、人の感想を見て映画に行くか検討している人もぜひ読んでほしい(その人はアニメ版について言及しているところを見て、映画を見てから読んでほしい)。

映画 よかったところ

ボムとレゼ/裏と表の演じ分けがいい

ぶっちゃけデンジとレゼの恋愛描写は漫画のときほど「どうしよう俺この娘好きになっちゃう」感は薄いなーと思った。特に出会いの部分だね。
けど上田麗奈の声、よすぎだろ。表と裏のレゼの演じ分けがうますぎる。
レゼの状態だとうんまあ可愛い、こんなん好きになっちゃよねーくらいで済んでいたのに夏祭り以降の裏が出る場面のところからめちゃくちゃ魅力的に見えてきた。
ごめん嘘、ロシア語の歌のところからめちゃくちゃ怖かった。歌→デンジの前に戻る場面、「もうあのレゼに戻れんくない???」って本気で思うくらい怖かったし、そのあとに今まで通りデンジに接する場面もめちゃくちゃ怖かった。

声優の演技だけではなく、映像面も素晴らしかった。

夏祭りの場面でとんでもないと思ったのは、「キス→舌噛みちぎり」の部分だ。
キスは舌まで入れてエッチだったし、そのあと嚙みちぎった舌からは大量の血液が流れているせいでレゼの唇がピエロのように真っ赤になっていた。
道化(騙す者)ということを表現したかったんだろうか。良い。
舌をデンジに見せつけるために口を開くシーン、恐怖とエロさが絶妙なバランスで同居していて脳を焼かれたな。あの場面のオリジナル要素よすぎる。原作だと血は流れていない場面だけに衝撃的だった。けど冷静に考えたら舌を嚙みちぎったらそりゃあ血が出るのも当然だ。
血まみれになった口でもっかいキスするのもエッチすぎる。エッチすぎるよお。
このときの死ぬほど可愛い上目遣いはなにがしかの法に触れるんじゃないかと思う。

レゼの美しさと残虐さが同時に描かれていて、考えた人には百億点あげたい。採用した監督も偉い。

他にもプールのシーンで蜘蛛に蝶が絡めとられる場面を挿入してきたのは、デンジがレゼに落ちた場面をうまく表現できていてよかったな。

間がいい

映画版で全体的に評価したいのは、間だ。
なんかこう、上手い。アニメ版のときはなんか妙な間があるというか、テンポ悪いし爽快感も薄いしで、正直思ったチェンソーマンがお出しされなかった。

けど総集編やこの映画は間がうまい。
ちゃんとチェンソーマンの間をしている。かつ、ギャグシーンはギャグシーンでそれっぽくなっており、かつポップになりすぎていない。自分にとってちょうどよかった。

なによりボムの変身シーンや戦闘シーンのテンポがめちゃくちゃよかった。
特にボム。まるで漫画の中で自分が想像したような変身シーンで最高だったな。

爆発による加速の描写も、足がオレンジに光って「いま爆発の力を貯めています」というのが一目でわかる演出がされていた。その貯めの間が絶妙で、あれより遅かったり速かったりしたら戦闘描写のいろいろがテンポ悪くなっていたかもしれない。

曲がいい

曲が挿入される場面も全部よかったな。
刃渡り二億センチはまあ、なくてもいいっちゃいいと思ったけど、好きなので良し。

あと70%解禁Verだかで尺が伸びていたのでよかった。「悪魔のうた 悪魔の音 まあお利口な子」の部分でレゼがデンジをかどわかし、アキがクラクション鳴らして「敵の言葉を信じるな!」っていうシーンは歌詞と場面がかみ合っていてめちゃくちゃよかったね。

「IRIS OUT」はもう、シンプルによすぎ。曲もいいし、パワーちゃんをデンジとアキがマキマさんのところに連れていかれるのも可愛い。

可愛いと言えば天使の悪魔、エッチすぎるだろ。お前今回ヒロインでも何でもないのにレゼ以上のエッチな存在感出すな。デンジの回想で可愛すぎるのやめろ。アキに抱きしめられてるときの顔がよすぎるのホントやめろ。

ボムの描写が全部よすぎ(ちょっとネタバレ?あるよ)

なんかもう、とにかくボムがすごかった。
ボムの戦闘シーンがどれもかっこいい。めちゃくちゃいい。

一番最初のビームに「泥棒」って言って追いつくシーン、かっこよすぎるだろ。
あの一瞬で「あっボムマジでヤバいやつじゃん」感が出るので、それだけでこいつが映画において最強の敵だという事がわかる。しかもデンジがなすすべなくやられていることから、過去の敵と比較しても圧倒的に強いことが示唆される。これは原作の妙だが、映画でも圧倒的な存在であるというのが爆発描写を盛ることでしっかりと描かれていた。

民間のハンターを一瞬でぶっ飛ばすシーン、爆発後に普通に手とか飛んで出ビビる。

次いで爆発アッパー。VSチェンソーで使われたやつ、あれかっこよすぎだろ。かっこいい。ビルの内部で爆発がさく裂して、そのままビル上空まで吹き飛ばされる戦闘描写かっこよすぎる。

もちろん、デンジを二度目に倒す場面の足を爆弾にして急降下キックするところもめちゃくちゃよかった。
あの場面は原作でもめちゃくちゃかっこいいコマで、「こんなん絶対映画映えするやん間違いないやん」と思っていたが、間違いなかったな。漫画のコマと同じようにレゼのキックが行われる場面を、絶妙なカメラワークと戦闘テンポを損なわない速度で表現するの偉すぎる。漫画同様に足爆弾が完成されたところは美しいと思ったし、そのあとの連続爆発も芸術的・暴力的なまでに美しいよな。
ダメージを受けたチェンソーが回復する描写、ちょっとグロくてよかったし、そのあとまた連続爆発喰らってチェンソーが黒焦げになるのも容赦がなくていい。

台風が合流してからの戦闘シーンはもうめちゃくちゃ全部好きだけど、空中に浮遊しながら爆発を銃のように飛ばしまくるシーンもめちゃくちゃかっこいい。

水に潜ったデンジやビームを、体につけられた爆弾で絨毯爆撃するシーンも最高だ。

なにより、原作になかったビルの中でのボムVSチェンソーよすぎただろ。
こんなサービスもあるんですかあ!?って感動した。

戦闘シーンふんだんにちりばめられた主題歌PV貼るから見てほしい。

米津玄師 Kenshi Yonezu – IRIS OUT

総じてレゼのシーンとボムのシーンがよかった。

あとレゼの頭部爆弾のシーン怖すぎだろ。
原作でも「やべーなこいつ」って思った描写ではあったけど、頭の重量感がリアルすぎて下手なホラーより恐怖覚えたわ。

狐の悪魔の頭が「これは無理」って言ってボムが出てくるシーンも、絶望感がヤバすぎる。あれで「合コンだったのに」って言える野茂さんたち、さすがに頭のネジが外れている。
アキの前に野茂さんたちの首を出してくるシーンの間も、絶妙に長くとられていて嫌(誉め言葉)。

戦闘シーンはもう、本当に言うことない。言う事なさすぎる。
「俺が見たかったチェンソーマン」をお出ししてくれた。ありがとう。

できることならこれを一期からやってほしかったという気持ちが歯に肉が挟まったような気持ちにさせてくるが仕方ない。この感動に必要だったと思って受け入れよう。

アニメ版ちょっと語らせて

この映画を語る中で、アニメ版についても少々語らせてほしい。
なぜならみんなに映画見てほしいから。どんな気持ちで俺がアニメ版を見ていたかを少しだけ知って、そのうえで映画を見たいと思ってほしいから。

結論から言うと、アニメ版は正直好きじゃなかった。

最大の理由はアニメ版だとチェンソーマンになった描写の半分以上(体感)がCGだったからだ。

そのせいでチェンソーをかき鳴らす音による背筋が冷たくなるような不快感や、チェンソーで血をまき散らしながら敵をぶちのめす爽快感がまるでなかった。

特に永遠の悪魔戦とサムライソード戦。
いや、ゾンビ戦からすでにCG満載で「怪しいなあ」と思っていたものだが、個人的に原作で一番気に入っていた永遠の悪魔戦の爽快感というか、狂ってる感がいまいち出ていなかった。永久機関、めっちゃ好きだっただけに残念だったな…

蝙蝠と蛭はそこそこ好きです。
CGよりもCGじゃない場面の戦闘が結構凝ってたし印象に残ったので。

けど何回も見直すほどじゃなかったな。CGがやはり足を引っ張っていた。
おお、かっこいい!という戦闘シーンがお出しされた直後になんかしょぼいCGがお出しされるのでアガりきらないし、むしろ普通に萎えてた。

EDが複数あるのは確かに楽しめたけど、毎週変わる分一個一個の印象が薄くなってしまったし、あそこで作画を裂く手間があるんだったらチェンソーをCGじゃなくてちゃんと描いて、かっこいい戦闘シーンや爽快感のあるトドメに気合入れてくれや~って思ってしまったので、シンプルに萎えていた。刃渡り二億センチはムービー含めて大好きだけど。

あとなにより、サムライソード戦にはマジで文句を言いたい。
好きな戦闘シーンのほとんどがCGなのクソ萎えるんだわ。

特に最後の電車上&電車内での戦闘シーンは「スパイダーマン2(サム・ライミ版)」におけるドック・オク戦を彷彿とさせていた。スパイダーマンの電車戦がめちゃくちゃ好きだっただけに、原作のチェンソーマンではとんでもなく興奮したものだった。

一体アニメになったらどんな動きになるんだろう!どめちゃくちゃ期待していたので、お出しされたのがほとんどCG戦闘だったときは絶望の一言である。

本編最後の最後の「ジジイに教わらなかったかあ~~!? 獲物が狩人の言葉を信じるなってよぉ~~~!!」の場面もCGなのかよ。。。。。。。。。。。。。。。

ああ、うん、なんか…アキに放ったサムライソードの居合はかっこいいけどね。そんなもん。

OPではCGを使っていなかっただけに(しかも映像かなり良くて期待値爆上がりしていただけに)、アニメ版の戦闘シーンはマジで絶望だったな。
個人的にチェンソーマン最大の魅力はB級映画ばりのスプラッタ、敵を残虐に殺す爽快感にあると思っているので、アニメ版が戦闘シーンで明らかに手を抜いていたのは解釈違い過ぎた。マキマが能力使うところとか、部分部分はよかったと思うけど。

その点、レゼ篇では戦闘シーンにこれでもかと力を入れていたので最高でしたね。あとチェンソーの音がちょっと不快に感じるくらい(でも大きすぎない)のもポイント高い。
仮面ライダーのバイクの排気音とチェンソーマンのチェンソー音は五月蠅ければ五月蠅いほどいいとされているのでね。

映画でちょっと惜しいと思った点(ネタバレ?あるよ)

レゼとの恋愛描写

ちょっとレゼの描写がいまいちに感じた。原作はレゼがデンジから花を受け取った場面でもう「おお…」と感嘆してしまうくらい美しさを感じたが、アニメだとなぜかそんなに響かなかった。
すでに登場しているマキマさんとパワーちゃん、そして天使が可愛さ爆発させていたからかもしれない。俺、原作だとレゼが一番好きなんだけどな…

でもボディタッチのシーンや、デンジからもらった花を飾っている場面はとてもよかった。
うわ~~~悪魔!!!!ってなる。

あんなことされて好きにならない男いるか???????

まあ自分には刺さらなかっただけだと思うので残念というほどではないかな。ボムにはめちゃくちゃ楽しませてもらったので。

暗殺者の男CGじゃん

最初に台風と契約していた、デビルハンター殺しの男。
ノイズになるほどではなかったけど、あーCGだなあと思う場面がちらほらあった。

全部描け!!!!!とは言わないが、アニメ版でCGに対して不快感が強かったこともあって、少々目についてしまった。
アニメ版があんなCG多用じゃなきゃそこまで気にならなかったかもしれないと思うと、アニメ版の罪は重い…

車がCGはだいたいのアニメでもやってるので、まあ許す。

花火ボム

VSボムの戦闘シーンにおいて、ボムの爆発がカラフルになってくる。

これまで普通の爆発だっただけに、急にカラフルになってくるので普通に戸惑う。
「なんで??????????」という疑問と疑念が頭を駆け巡って、それまで高まっていた気持ちが少し落ちてしまった。

たしかにただボムがオレンジの爆発させるだけだと味気ないというか、画面的にもそんなに華やかになりにくい部分だとは思う。けどボムの爆発はさあ、あのシンプルな爆発なのがいいんじゃん。あのシンプルなのが暴力的で、ただ攻撃性一点に集中しているようなところがいいんだよ。

特撮オタクはオレンジ以外の爆発は戦隊の名乗りとか彷彿とさせちゃって攻撃性を感じられなくなるんだよ。映えじゃんあれ。インスタ映えのための舐めプだよ。

見終わってから思うと、花火と爆発をかぶせていたので、レゼはレゼなりにデンジとの夏祭りを楽しんでいたのだという心理描写含めていたのかなーと思うと、戦闘も佳境になったところで、学校へ行ったこともないレゼが祭りのことを思い出しちゃうのは情緒的でちょっといいとは思う。楽しかったんだね、レゼ。デンジとの思い出が大切な記憶になったんだね。ちょっとにっこりする。

けれども、とはいえレゼは戦闘に私情を持ち込むことはしないだろ。

画面的に綺麗ではあったけど、あの佳境で攻撃性が損なわれたような感じがしたので個人的には残念。
でも、特撮オタクじゃない人はそこまで考えていないかもしれないので、あれはあれでよかったのかも?

総評

レゼ篇、映画館で見た方がいいです。
最初から最後まで目が離せないし、見終わった後の「いい映画見たな…」感は異常。
見終わった後3時間くらいは最低でも語りたくなるような出来でした。
面白すぎてなにがしかの法に触れるくらい。見終わったあとにIRIS OUT無限ループする。

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